ヤクルト小川監督が「村田修一の獲得を見送ったわけ」を論理的に話す (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― ブルペン陣はどうですか。

「抑えはカラシティーで、秋吉亮は8回がいいんじゃないかと。あとは石山泰稚ですね。昨年はシーズン途中までいい状態だったので、今年はそれを最後まで持続させられるか」

―― 小川監督は3年間、シニアディレクターとしてヤクルトの試合を見ておられました。

「優勝と最下位の両極端を見たわけです。3年前の優勝のときは、選手たちが頼もしく感じました。躍動感というか、試合への気持ちの入り方も素晴らしかった。96敗した昨年は、本当に戦意喪失というか、ただ試合をこなしているように映りました。勝負事なので負けることはありますが、そういう姿をファンの前に出してはいけないとあらためて思いました」

―― 最後になりますが、一部で「つなぎの監督」という声も聞こえてきます。

「キャラの強い宮本がヘッドコーチになったことで、そういう見方をする人もいるんでしょうけど、自分は球団から求められている育成という使命をまっとうしたいと思っています。もちろん勝つためにも全力を注ぎます。キャンプ前日の1月31日のミーティングでも『とにかく優勝目指してスタートします』と選手たちに伝えました。開幕してすぐに結果を出すことは簡単ではないけど、とにかく最後まであきらめない執念を持ったプレーを心がけてくれと」

 今シーズン、ヤクルトのスローガンは『RISING―再起―』。はたして、小川監督はどんな手腕でチームを再起させるのか。猛練習で鍛え抜かれた選手たちの奮起に期待したい。

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