ヤクルト小川監督が「村田修一の獲得を
見送ったわけ」を論理的に話す

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 青木選手が加入したことで、外野のポジション争いが熾烈になりました。

「今、坂口がファーストの練習をしていますが、外野の競争からはじかれたわけではありません。ファーストの中心には畠山がいますし、あくまで今ある戦力を最大限に活用するためのオプションです。そのなかで、外野手で誰がファーストの適性があるのかを考えたときに坂口となったわけです。間違ってもコンバートではありません。これも青木の加入によって生まれた"嬉しい悩み"ですよね」

―― 内野手についてはどうですか。

「村田修一が巨人を戦力外になって、獲得するかどうかという話はありました。彼がチームに入れば間違いなく戦力になるのですが、そうすると若い選手――廣岡大志、西浦直亨、藤井亮太、奥村展征たちに出場機会を与えることが難しくなってしまう。彼らに力をつけさせる環境をつくることが、僕の仕事だと思っています。さらにドラフト1位ルーキーも村上宗隆も捕手からコンバートしてサード1本でやらせるわけです。村田がいれば使いたくなってしまうので、チームの将来を見据えると(獲得を見送る方が)いいのかなと......」

―― さて投手陣です。昨年ローテーションを守った小川泰弘投手と星知弥投手が二軍スタートとなりましたが、外国人投手はデーブ・ハフ投手、マット・カラシティー投手、元中日のジョーダン・アルメンゴ投手の3人が加わりました。

「今のスタッフを考えれば、小川が中心になりますが、右ヒジ疲労骨折の手術明けなので開幕から全開というわけにはいかないと思います。まずは外国人ふたり――アルメンゴは調整が遅れているので、2年目のデビッド・ブキャナンとハフですね。このほかに石川雅規、原樹理、山田大樹(元ソフトバンク)、由規。そこに二軍スタートの星、山中浩史、館山昌平、成瀬善久たちが戻ってきてくれれば。

ピッチャーたちには『今年は先発として送り出したら5回までは何がなんでも代えないから』と話しています。特に若いピッチャーは、打たれてもいいからたくさんの経験をして、修羅場をくぐってレベルアップしてほしいと思っています。そうしないと、これから何年後かに一人前のローテーション投手として回すことが難しくなる。ただ、セ・リーグなので投手は打席に入らないといけないですし、試合展開によってはそうならないこともあるかもしれませんが......」

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