畠山は引退危機から救われた。監督・コーチ・選手が語る「青木効果」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 福地コーチは「若い選手は一歩踏み出して、青木選手にいろいろと聞いてほしい」と言われていました。

「今は石井コーチに新しいことを教わっていて、それが形になってきているので青木さんには質問していません。見て学んでいるところです。そのなかで感じたことは、石井コーチや二軍の松元(ユウイチ)コーチから教わっていることと似ているので、自分としてはいい方向に向かっていると思います」

―― ただ、青木選手は3年契約です。

「そうですね。試合に出るチャンスは去年よりも確実に限られてきますが、とにかく結果を残すしかないんで。僕も3年目で選手生命がかかっています。やるしかないです。一軍に定着できれば青木さんのプレーも見られるし、話を聞くこともできますからね」

 畠山和洋はケガで過去2シーズンをほぼ棒に振った。"再起"への手応えについて取材をしていたのだが、気がつけば青木の話題になっていた。

「去年の秋ぐらいから『やめよう、やめよう』とばかり考えていました。もう無理だなって。キャンプに入る前も不安しかなく、ずっとマイナス思考でした。今も、体が正常かと聞かれたら、若い選手には追いつけません。ただ、このキャンプではモチベーションが上がり、今は何とか開幕までに(状態を)戻せたらもう1回勝負できるんじゃないかという気持ちです」

 その理由について、畠山は次のように語る。

「前向きになれた理由は、青木さんと再会したことです。普段の会話をしているなかで、客観的に僕の評価をしてくれたんです。『鍛えられるところをしっかり鍛え、振れるときにしっかり振れれば、まだまだできるよ』と。その言葉で僕自身も『まだできるんだ』と。僕にとってこのキャンプはいい転機になりました」

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