2018.02.07

「空振りばかりの子豚ちゃん」山川穂高が、
西武の4番に変身するまで

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • 西田泰輔●撮影 photo by Nishida Taisuke

 プロでの実戦経験はまだ、二軍で2ヵ月――。

 今から4年前の2014年5月、西武ライオンズの潮崎哲也二軍監督は大卒ルーキーの山川穂高に対し、最大級の期待を寄せていた。

さらなる飛躍を誓ってキャンプインした山川穂高「将来的には一流プレーヤーになっているんだろうなって。おかわり君に近づいているんじゃないかなという期待がありますね。性格的には癒しキャラで、野球界の”ふなっしー”みたいな感じ。しゃべって面白い、プレーで面白い。早く一軍のファンにも見せてあげたいプレーヤーのひとりです」

 ぱっちりした目と、愛くるしい笑顔。176cm・100kgのどっしりした体型。沖縄出身で、底抜けに明るい。

 そんな山川は西武第二球場に足を運ぶファンからすぐに愛されるようになり、ついに大卒4年目の2017年、その名を全国に知らしめた。夏場から4番に座って23本塁打・61打点・打率.298と打棒を爆発させ、8月と9・10月の月間MVPを連続受賞。出場こそ78試合だったが、中村剛也と遜色ない活躍でライオンズの4番の座を奪い取った。

「一軍に上がって、最初は代打から始まって、『今日打たないと明日がない』と思っていました。そういうプレッシャーのかけ方をしてきたので、4番に座っても、『今日も絶対、結果を出しにいく』という気持ちをしっかり持ってやってこられた。でも、まだまだ中村さんには及ばない。4番を何年も打って、初めて真のライオンズの4番と思ってもらえると思います」

 山川がプロ入りから描いてきた成長曲線を振り返ると、改めて、プロ野球選手が才能を開花させるために大切な要素が浮かんでくる。メジャーリーグのスカウトたちが「メイクアップ」と呼ぶ能力だ。日本語にすれば「精神力」や「勝負強さ」などと訳されるが、「自分を成長させていくためのメンタル」と言えばわかりやすいだろうか。

「俺の知っている子豚ちゃんじゃないねえ」

 二軍では本塁打を量産しながら、一軍になると大味な空振りを繰り返していたルーキーイヤーの夏場、潮崎二軍監督は山川の”上と下”での違いをこう指摘していた。