ロッテのドラ2・藤岡裕大に漂う「新人王野手」京田、源田と同じ匂い (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 実力は申し分なし。なにより、今のロッテには正遊撃手がいないという現状も、"藤岡推し"の大きな理由となる2016年のドラフト1位・平沢大河はなかなかレギュラー獲りの兆しが見えず、フィールディングのいい三木亮が抜擢されることも多かったが、バッティングに課題を残した。ならば、藤岡はどうか。

 守備のうまさは先述したとおりだが、バッティングだってまだ粗削りな部分はあるものの、一発で仕留めてしまう"怖さ"を持っている。

 印象に残っているのが昨年夏の都市対抗九州三菱自動車との1回戦だ。緊迫した試合は、延長11回を終わり1対1の同点。タイブレークの攻防となった12回裏だった。一死満塁で打席に入った藤岡は、初球をひと振りで仕留め、打った瞬間「それ」とわかる特大アーチを放ってみせた。

 京田や源田と同じように、多少のミスには目をつぶり、いいところだけを見るようにして使っていけば、いつの間にかレギュラーとして確かな存在感を発揮している。今季の藤岡について、そんな"絵"がはっきりと私の頭の中で浮かんでいる。

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