ロッテのドラ2・藤岡裕大に漂う「新人王野手」京田、源田と同じ匂い

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 プロ野球の"新人王"を獲得するのに必要なことは、決して実力だけじゃない。その選手がチーム事情にうまくはまるか否かが、非常に重要になってくる。

 昨季のセ・パ両リーグで新人王を獲得した京田陽太(中日)と源田壮亮(西武)のふたりの遊撃手はどうだったか?

昨年のドラフトでロッテから2位で指名された藤岡裕大昨年のドラフトでロッテから2位で指名された藤岡裕大 中日、西武ともに彼らが入団するまでは、遊撃手のレギュラー候補はいても、全試合を安心して任せられるほどの選手がいなかった。そんなチーム事情もあって、新人の彼らを思い切って起用してみたら、これが見事にフィットした。

 たとえば3連戦という単位で見たとき、3~4本のヒットを放ち、四球もきっちり選んで、送りバントも進塁打もそつなくこなしてみせる。守備も、スーパープレーは少ないが、守備範囲に飛んできた打球はしっかりアウトにする。スローイングミスがほとんどないから試合の流れを壊すことがない。

 京田の守備率.980は、巨人・坂本勇人の.987に迫るリーグ2位。源田の守備率.971は、ソフトバンク・今宮健太の.988、オリックス・安達了一の.986に次ぐリーグ3位。ルーキーながら、ともに精度の高い守備を見せた。

 正直、夏場あたりにへばるのでは......と危惧していたが、なかなか強靭な心身の持ち主のようで、打率.270は切っても.260は意地でも割らなかった(源田は最終的に.270、京田は.264)。シーズンが終わってみれば、どちらも不動の定位置を獲得し、チームにとって欠かせない存在となっていた。

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