モノ言う打撃投手・久本祐一が
ドアラと語り合った「ドラゴンズ改革」

  • 寺崎江月●文・写真 text & photo by Terasaki Egetsu 協力/リリーズ神田スタジアム


──慰問に行かれての感想は?

久本 僕が行っているところは病気や障がいを持つ子供たちの施設なんですけど、一見すると「なんでこの子が施設に入らなきゃいけないのかな?」という子もいました。いろいろな病気で、いろいろなケースがある現状を知りました。野球のルールがわかる子もいますし、野球のうまい子もたくさんいます。徐々にですが、子供たちも心も開いてくれて本当に楽しい。代表に直訴して本当によかったです。

 それともうひとつ、この活動でうれしかったのは、ナゴヤドームのバイトの人たちが賛同してくれたことです。みんな大学生なんですが、就職活動をする上でもいい勉強になりますと言ってくれて、今では毎回一緒に手伝ってもらっています。

昨季から独自に子供たちの施設訪問の活動を始めた昨季から独自に子供たちの施設訪問の活動を始めた

──久本さんはファンサービスにも意見がありましたよね。

久本 はい。ドアラと頻繁に企画会議をしています。現役時代は中継ぎが多かったので、ほとんど接することはなかったのですが、今ではゲーム開始前の空き時間などを利用して、ロッカールームで毎試合のようにやっていますよ。

──なんと、ドアラと企画会議ですか! その内容とは?

久本 グッズの品評会やアトラクションの企画などが多いですね。「この商品は売れる」「このアトラクションは動員につながる」などと活発に話し合っています。提案が通ることもあるし、カープでは通った企画が中日ではNGなこともあります。スポンサーがらみの事情で仕方ない部分もあるのでしょう。

 いずれにしても、僕はドアラのファンに対するコミュニケーション力を見習っています。だって、高級ホテルでディナーショーまで開催するんですから、とても参考になりますよね。今の僕にとって、チーム一番の手強いライバルでもありますが(笑)。

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