2017.12.01

鉛のベストで猛練習。ヤクルト
秋季キャンプはリアル「スポ根漫画」だ

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by HISATO

 石井コーチは前職の広島打撃コーチ時代、リーグ屈指の強力打線を築き上げたが、「スワローズでまた新しいことを発見できればと思ってやってきました」と言う。

「選手たちが今までやってきたことにプラスアルファして、彼らの引き出しを増やしたいですよね。キャンプでの練習はきついと思いますが、そのなかでどうすれば楽しくバットを振れるのかを意識して、メニューはいろいろ工夫しています。もちろん一朝一夕にはいきませんが、この練習を積み重ねればどこかで劇的な変化が起こります。選手にもそう言っています」

 実際、「今日はどんな難題を用意しようか」と、石井コーチは練習前に宮出隆自打撃コーチに笑顔で問いかけ、「もっと太いゴムバンドはないかな」といった具合に、毎日練習に変化をつける。重いバット、軽いバット、短いバット、細長いバットなど......。さらにバランスボールに座って打つなど、とにかく日々変化をつけ、選手たちはバットを振り続けた。

 小川監督は「変化があって面白いですよね。みんな石井琢朗が考えているんですよ」と、嬉しそうに語る。選手たちも新しいメニューに最初は戸惑いながらも、それぞれ情報を交換し、練習の意図などについて話し合っていた。

 さて、選手たちはこのキャンプをどのように過ごし、何を感じたのだろうか。何人かの選手に聞いてみた。

「最初の頃はきつくて、練習が終わってもすぐに朝になるという感じでした。今もそれがないといえばウソになりますけど、朝が来れば『よし、今日もしっかりやるぞ』と。課題として取り組んできたことがしっかりやれているので、しんどいですけど楽しんでいます」(廣岡大志/内野手/2年目)