鳥越コーチの退団こそホークス最大の痛手。名手を育て上げた魂のノック (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 ソフトバンクのシートノックにはある特徴がある。ほとんどの球団は若手→主力の順番でボールを受け、はじめのうちレギュラー陣は後ろに立って声を出す。しかしソフトバンクは、サードなら松田、ショートなら今宮が先頭に立って、最初にノックを受ける。「絶対に自分のポジションは譲らない」という気概に満ち溢れているのだ。

 実るほど頭(こうべ)を垂れる、人間力も育て上げてきた。年を重ねても、どれだけ実績を積み上げても、決して「王様」になることを許さなかった。その空気感を常につくり上げてきたのが鳥越コーチだったのだ。

 ソフトバンクにとって、"常勝イズム"が他球団に流出するのは間違いなく痛手となる。しかし、パ・リーグのみならず、プロ野球界全体を考えれば活性化につながることは間違いない。

 来年のパ・リーグは、絶対に面白くなる!

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