栗山監督が描く大谷翔平のメジャー。「DHがなくても二刀流はできる」 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

―― そういう意味では、いわゆる"25歳ルール"は、逆によかったのかもしれません。

栗山 プラスに働くかもしれないね。最初から大金もらっちゃったら、翔平は面白くないと思うんじゃないかな。だからオレは、大谷翔平は運を持っていると思うわけ。野球の神様は、あんなに一生懸命やっている選手に味方しないはずがないと思ってる。

―― 実際、メジャーで二刀流を実現させるオペレーションを考えたとき、監督が"ピッチャーとバッター"、つまり守らせない二刀流を実行してきたことを考えると、DHのないナ・リーグでは難しいとお考えですか。

栗山 いや、全然ありでしょ。アメリカのほとんどは土のグラウンドだし、芝だし。

―― えっ、それは守らせるということですか。

栗山 うん。

―― でも、外野はケガのリスクも高くなりますよね。

栗山 ファーストをやればいいし。

―― ファースト?

栗山 オレはそれを想定してやってきたよ。球場の作りを考えても、アメリカなら守れると思ってやってきた。あとは体力的な問題だけなんだよ。翔平の場合、守っていた方が動きがよくなるという考え方もある。入団直後はショートの練習もさせてたし、ファーストは問題なくできるよ。要するに、みんなが無理だと思っていることでも、誰が無理だと決めたんですかって話でしょ。そういう先入観を取っ払ってくれたのが大谷翔平だったわけで、そこを信じられなかったら二刀流は前に進められなかった。だから、オレはア・リーグでもナ・リーグでも二刀流はできると思っているし、翔平がチームを決めるにあたってひとつだけ言いたいのは、彼の能力を本当に愛してくれる人がいるところを選んでほしいということ。

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