春はボロボロだった韓国。レジェンド宣銅烈は稲葉ジャパンに勝てるか

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Kyodo News

 1012日、『アジアプロ野球チャンピオンシップ』(1116日に開幕)の公式記者会見に姿を見せた韓国の宣銅烈(ソン・ドンヨル)代表監督は、以前よりもふくよかになった印象を受けた。

2020年の東京五輪まで韓国代表の指揮を執る宣銅烈監督(写真右)2020年の東京五輪まで韓国代表の指揮を執る宣銅烈監督(写真右) 彼がKIAタイガースの監督を辞めたのは2014年。その後、KBO(韓国野球委員会)において顧問的なポジションで仕事をこなしてきた。その間、2015年には『プレミア12』で韓国代表の投手コーチを務め、チームの優勝を支えた。今年3月に開催された第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも投手コーチとして参加した(韓国は1次ラウンド敗退)。とはいえ、日常でグラウンドに立たなくなったのは事実。彼のふくよかさは、そんな時間の経過を感じさせた。

 宣銅烈が韓国代表の監督に決まったのが今年7月。韓国でも日本の侍ジャパンの常設化を参考に、大会ごとに監督を選任するのではなく、中長期的な視点で監督を選び、チームづくりを行なうことになっていた。

 その背景にあるのは、近年、韓国代表の国際大会での成績が芳(かんば)しくないという事実だ。前述したように、プレミア12には優勝したが、WBCでは2大会続けて1次ラウンドで敗退するなど波が大きい。

 いずれにしても、東京五輪で野球が復活することが決まり、韓国として何らかの対策を講じる必要性が高まったというわけだ。そのひとつが代表監督の専任であり、宣銅烈の起用だった。

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