ドラフト1位の苦悩。期待の大型内野手が「打ち方を忘れた」状態とは (6ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

──現在は、独立リーグの石川ミリオンスターズで監督を務めています。独立リーグでプレーするのは、高校や大学を卒業するときにドラフト会議で指名されなかった選手ばかり。エリート街道を歩んできた渡辺さんとは考え方が違うのではないでしょうか。

渡辺 独立リーグに、本当の意味で自信を持っている選手はほとんどいません。でも、「だから、オレの言うことを聞け」と言うんじゃなくて、彼らが自分で考えて興味を持つようにしていきたい。強制的に教えるよりもサポートに徹して、聞かれたことにしっかり答える準備をしています。

 僕は選手の気持ちを尊重してあげたい。もっともっと野球に没頭できる環境をつくってあげることが一番大事で、いつも選手のモチベーションが上がる環境づくりをしようと思っています。

渡辺正人(わたなべ まさと) 1979年、大阪府生まれ。上宮(大阪)の遊撃手として1997年春の甲子園ベスト4進出。1997年ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズ入団。ユーティリティプレーヤーとしてチームに貢献したが、2012年限りでマリーンズのユニフォームを脱いだ。プロ通算成績は492試合出場、打率2割0分7厘、140安打、11本塁打、4盗塁。現在は、独立リーグの石川ミリオンスターズの監督を務めている。

◆「ドラフト1位の引き際。あの豪腕投手は、なぜ27歳で引退を決めたのか」の記事はこちら>>

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る