エースとは何か? 菊池×則本の
投げ合いで蘇った「11年前の対決」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

 ファーストステージの第1戦で完封勝ちを果たしたのは、2006年のエース対決を制した、あの松坂以来。しかも、ファーストステージの第1戦を取りながら、その後に連敗を喫して次のステージへ進めなかったのも、パ・リーグでは2006年のライオンズ以来のことだった。皮肉にもエース対決を制した菊池のシーズンはここで終わり、敗れた則本にはファイナルステージでホークスを相手にリベンジの機会が与えられた。野球の神様というのは気まぐれなもの。思えば則本が今年の夏、こんな話をしていたことがあった。

「野球の神様ですか? いると思いますよ。だから僕、徳を積んでます。何か、いいことがあるようにね。野球の神様は......おじいちゃんというより、おばあちゃんじゃないですか。優しい感じのね(笑)」

 菊池の想いも背負って、福岡のマウンドに則本が立つ。強い、強い、ホークスを相手に投げる則本に、野球の神様は次、どんな物語を用意しているのだろう――。

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