DeNAラミレス監督の「頑固采配」を支える、筒香ら選手との深い絆 (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ちなみに、今シーズンのDeNAのホールド総数137は、2012年に日本ハムがマークした131を抜き、プロ野球新記録となった。この数字からもリリーフ陣が苦しみながらも、チームを支えてきたことがわかる。

 そしてラミレス監督が「今シーズン、最も難しい決断だった」と語るのが、春先に山﨑を一時的にクローザーから外したことだ。その後、セットアッパーとして結果を残した山﨑は、約40日後にクローザーへ復帰するが、あの状況を木塚コーチはどう見ていたのか。

「今年はパットンもいましたし、シーズン序盤のここしかないという絶好のタイミングでした。あのままクローザーを続けていたら、ファームに落ちて1カ月ぐらい穴を空けてしまう可能性もあった。ヤスの尻にも火がついたし、それによってほかのメンバーも自覚を持つことができ、リリーフ陣全体がワンランクアップすることができました。リリーバーとクローザーは兄弟みたいなもので、誰かがダメなら、ほかの選手がフォローする。そういったなかでブルペンが一致団結し、監督の要望に応えてくれたと思います」

 まさに総力戦でつかんだ2年連続Aクラス。前出の青山コーチは、今シーズンの戦いを次のように振り返った。

「数字だけを見れば、ずば抜けた選手はいないのですが、ほかのチームと比べてケガ人が少なく、高いパフォーマンスを出せたことがこの結果につながったと思います。これを可能にしたのは、監督の選手に対する信頼ではないでしょうか。一見、セオリーがあるのかないのかわからないと思いますが、監督のなかには確立したものがあり、選手たちはそれに応えようとする」

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