寺島成輝、5失点デビューも「大体の感じはわかりました」と来季に自信 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 寺島のプロ初登板の日の朝、海の向こうでヤンキースの田中将大が15奪三振の快投を演じていたが、テレビ中継を見ながら田中の楽天でのプロ1年目のことを思い出していた。

 2月のキャンプ、初実戦となった紅白戦で先発するも2本のホームランを浴びるなど2回2失点。そして2度目の実戦マウンドでも3回を2失点。またしてもホームランを2本打たれた。

 被弾したのはいずれもストレートで、あの田中でさえも入団当時はストレートに課題を抱えていた。ただ田中はそこでプロのレベルを肌で感じ、自慢のスライダーを生かす投球を磨いていった。そうして開幕からローテーションに入り、11勝を挙げる活躍を見せた。

 田中と寺島には、失敗を次につなげていける"学習能力の高さ"という共通点がある。

「投げてみて、大体こんな感じかなというのはわかったんで......そこですね」

 クラブハウスの前で立ち止まっての短い囲み取材のなかで寺島はもう一度、この言葉を繰り返した。

 一軍の雰囲気、神宮のマウンド、球場の景色......「大体こんな感じ」とわかった初登板を終え、寺島の頭のなかは一気に動き出したはず10月9日からは宮崎で行なわれるフェニックスリーグに参加する予定だという。この日の"73球"をどうピッチングに生かしていくのか。さらなる飛躍を期待したい。

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