CS進出へ「ここからが勝負」と語る山﨑康晃は、昨年とは別人のよう (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 今シーズンは、昨年とは異なりノーアウトからランナーをためても簡単には崩れることなく粘り切り、点差がある場面で本塁打を許しても、引きずることなく後続をしっかり断っている姿が目につく。メンタルを成長させたゆえの結果だろうが、どんな場面であっても表情に悲壮感はない。

 また今シーズンは、連投になったとしても、昨年のようにはストレートの球威が落ちていないのも見逃せない。

「昨年は確かに落ちていましたね」と山﨑が認めるように、2連投、3連投となるとストレートが140キロ台前半になり、ツーシームもキレを失い、被弾するケースが少なくなかった。だが今シーズンは連投が続いても、ストレートは146~150キロを維持し、ツーシームもしっかり落ちている。

「たかが球速かもしれませんが、自分にとっては大事なバロメーター。ストレートがいっていないときは、余計な力が入っているのかとか......考えることが多いですね」

 プロ3年目の今シーズンは、これまでの経験を踏まえ、逃げることなく自分としっかりと向き合い、常に打開策を模索している。

「最善を尽くすためには何をすべきか考えることができれば、自ずと練習方法も変わってきます。たとえば、夏場は疲れるので体力をどのように温存すればいいのか。些細なことかもしれませんが、直射日光を浴びないところでトレーニングをしたり......そういった細かい積み重ねが、今につながっているんです」

 常に成長、常に先を見越して行動をする。このあたりのアプローチが、これまでの選手生活を振り返って、一番変わってきたところだと山﨑は言う。

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