巨人待望の打てる捕手、宇佐見真吾は「スイングで投手を威圧したい」 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 大学当時、宇佐見が注目され始めたのは、2年の終わり頃だったと思う。1年秋からマスクは被っていたが、見る者を惹きつけるようになったのは、打球が遠くへ飛ぶようになったその頃からだ。

 ヒット欲しさに当てにいっていた宇佐見のスイングを、「それじゃ魅力ゼロ」と、飛ばせる打者にモデルチェンジしたのが、城西国際大の佐藤清監督だった。ちなみに、佐藤監督は天理から早稲田大、日本生命と進み、アマチュア球界屈指の長距離ヒッターとして名を馳せた人物だ。

「松山での合宿のフリーバッティングのときは、ほかの選手と比べて自分でもそんなに負けていないという実感がありました。今まで練習してきた成果が、上のレベルでも通用するんじゃないかって。そう思えるようになってから、結果もついてくるようになりました」

 実は、宇佐見が市立柏高でバッテリーを組んでいたのが森和樹だ。森は高卒で巨人の育成選手として入団したが、3年で現役を引退。宇佐見が入団する前にプロの世界を去っている。

 さらに、高校時代の同級生には当時、強肩・強打の遊撃手として注目されていた船越涼太もいた。船越は高校卒業後、社会人野球の名門・王子(春日井市)に進み、捕手に転向。奇しくも宇佐見と同じ2015年のドラフトで、しかも同じ4位で広島から指名を受けた。

 ドラフト前、「もし自分がスカウトだったら、宇佐見と船越、どっちを指名する?」という質問を宇佐見にしたことがある。そのとき、宇佐見はこう答えた。

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