「3-2から変化球を待てるか」で外国人選手が日本で成功するかわかる (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「これは習慣なんだ」と言い聞かせるしかないのだが、それでも納得しない選手は結果が出ずに、挙句の果ては二軍行きとなるわけだ(笑)。

 日本で活躍する外国人選手の共通点は、来日する目的を最初から理解していることだ。自分の流儀が通用するのかどうかを試しにきたのではなく、日本で活躍してお金を稼ぎ、好成績を残して、あわよくばメジャーに戻れたらいいな、という意識があるかどうか。

 そういう選手は、自ずと日本の投手の配球にも対応していくものだ。当時、ローズの口ぐせは「ガマン、ガマン」だった。ボール気味の球を我慢して見逃し、投手が苦しくなってストライクを取りにきた球を叩く。そういうバッティングを日本に来てから理解したのだ。

《伊勢氏は外国人打者にとって、「相手投手の心理を知ること」が重要だと言う。たとえば、相手投手が苦しくなったとき、次にどんな球を投げてくるのか。頭のいい打者はそれを理解している。DeNAの監督であるアレックス・ラミレスの現役時代はまさにその典型であり、ソフトバンクのアルフレド・デスパイネも同様のことが言える。ただ力に任せて振るのではなく、点差や局面を考え、また相手投手の持ち球も理解した上で球種を読む。それができれば、必然的にヒットになる確率も高くなるわけだ。》

 ただローズの欠点は、俗にいう"おちゃらけ"の性格だった(笑)。練習中でも、ほかの選手相手に子どもじみたイタズラをして喜んでいた。それが時に選手と衝突することにつながった。

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