巨人OBに聞くAクラスへの条件「本塁打を捨て、走る野球の実践を」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 これまで巨人の野球といえば"ホームラン"というイメージが強かったが、現在、巨人の本塁打数は、セ・リーグではヤクルトに次いで少ない65本。かつての"一発攻勢"は鳴りを潜め、327得点も中日に次ぐ少なさで、明らかな得点力不足に陥っている。その現状を打破するためにも、チームとして走塁の意識を高めるべきと鈴木氏は力説する。

「今の打線は一発が期待できません。そんな状況にもかかわらず、昔と同じ野球をしている印象があります。私は、もっと足を使うべきだと思います。足を使うといっても、ただ盗塁を増やすとか、そういうことではありません。必要なのは隙を突いた走塁です。たとえば、ランナー一塁からヒット1本、もしくは2本で生還する野球ができるかどうかです。それを実践するには、打球方向、ポジショニング、相手野手の能力や動き方......など、そうした情報を把握しておかなければいけません。それを意識するだけでも、絶対に変わると思います。しかも足の速い選手だけがやるのではなく、チームとして徹底すべきです。これができるようになれば、得点力は上がりますし、相手も脅威に感じるはずです。接戦になればなるほど、そうしたアプローチが必要になってきます」

 最後に、Aクラス入りを果たすためのキーマンをそれぞれ挙げてもらった。

「菅野智之です。エースである彼が投げる試合は、絶対に落とせない。それに、ただ勝つだけでなく、チームに勢いをもたらすピッチングをしてもらいたいですね。菅野が勝てば、田口麗斗、マイコラスといった投手も楽になる。そうした相乗効果も期待できます。ここからは、菅野、田口、マイコラスの3本柱でどこまで貯金をできるかが重要になるでしょうね」(槙原氏)

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