巨人OBに聞くAクラスへの条件
「本塁打を捨て、走る野球の実践を」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 鈴木氏が言うように、今シーズンここまで巨人は広島に対して4勝13敗と大きく負け越している。ちなみに、ほかの4球団には勝ち越しており、借金の要因が広島戦にあるのは一目瞭然だ。では、なぜ巨人は広島に勝てないのか。その理由を鈴木氏に尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「明らかに力負けです。中盤まではいい試合をしていても終盤に引き離されてしまったり......戦力の厚みが違いますよね。投打ともに広島の方が力強い選手が揃っている印象があります。それに対抗するには、新しい戦力しかないのですが......なかなか出てこないのが現状です」

 今季、巨人の高橋由伸監督は開幕から岡本和真や重信慎之介を筆頭に、積極的に若手を起用してきたが、誰ひとりとしてレギュラーの座を獲得することはできず、気がつけば、中堅やベテランのいつもの顔ぶれが並んだ。槙原氏はこの現状に危機感を抱く。

「今シーズンは新戦力としてマギーや陽(岱鋼)が加わりましたが、やっぱりチームを根本的に変えるには生え抜きの若手が出てこないと......。高橋監督もシーズン序盤は積極的に若手を使ってきましたが、結局ものにならなかった。若手の突き上げがないと、競争にならないですよね。『もっと我慢して使うべき』との意見もありますが、チャンスは十分に与えたと思っています。戦力になれなかったということは、足りないものがあるということ。そういう状況だからチームに勢いが出ないし、野球自体も変わっていません」

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