名コーチが冷静に導く結論「大谷翔平はあと2年、日本でやるべきだ」 (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

一方、打者としてはここまで23試合、62打数18安打、3本塁打、5打点。ただ、故障から復帰した6月27日以降に限れば、35打数5安打、1本塁打、2打点と苦しんでいる。それでも冒頭で触れたロッテ戦の一発は、内角高めのスライダーを捉えた場外本塁打。復調の兆しと言えるのだろうか》
※文中の成績は7月29日現在のもの

 それはどうだろう......。いいときの大谷というのは、センターからレフト方向に打球が飛び、角度的には大きな弧を描いてスタンドインする。それだけしっかりと引きつけ、下半身の粘りで弾き返すから、そうした打球になる。

 逆にライト方向への本塁打は、見栄えはするが力任せで打っている場合が多い。それではまだ十分ではない。やはり下半身主導でないと、1本出ても長続きはしない。

 打者としての大谷も打ち込み、走り込みが足りない印象だ。昨年の日本シリーズでの状態を10とすれば、一軍復帰してきたときの状態は3~4程度で、5にも達していない。失礼ながら、「二軍で何をしていたんだろう」と首を傾けざるを得なかった。大事に育てるのもいいが、過保護では意味がない。

 一軍の中軸を担う打撃に戻すには、最低でも1カ月はかかると思っていた。そろそろ復調してきてもいい時期かもしれないが、やはり大谷の好調のバロメーターはセンターからレフトへ弾け飛ぶような打球だ。これが出れば本人も安心することだろう。

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