4割は来季に。近藤健介が「打ち出の小槌」みたいにヒットを打つ秘密 (4ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 近藤だけではない。中島や西川遥輝といった、いわば脇役的な存在の選手でも、長所をきっちり見定め、適材適所で起用する。だから選手も、実力以上のものを発揮するのかもしれない。

 これは以前、栗山監督本人から聞いたことだが、選手個々の育成は、球団からも提案があるらしい。「この選手はこう育てよう」という感じで、具体的に方針を決めるそうだ。おそらく近藤も、捕手から野手にするだけでなく、今のような巧打者タイプにすることも、かなり早い段階で決めていたのだろう。

 なにより近藤にとって幸運だったのは、日本ハムというチームに入ったことだ。これがどこかのチームだったら、あれこれいじられ、彼本来のよさが消えていたかもしれない(苦笑)。

 これだけの才能を秘めた近藤が故障でリタイアしたことは、実に残念だ。正直なところ、あのままプレーしていたとしても4割は相当厳しい数字だと思うが、3割7~8分ぐらいは残していたのではないか。今季はチームが下位に低迷している。こういうときは、相手バッテリーのマークも緩くなり、打者にとっては好結果が出やすい傾向にある。その点でも、ラッキーなシーズンだったのだが......。ただ、選手生命が終わったわけではない。しっかりケガを治して、来季こそ4割を目指してほしいものだ。

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