25歳で投手転向と中卒20歳。独立リーグ異色の2人はプロ入りなるか (2ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 そして、高島はひと呼吸置いてから「結婚していたら絶対にできませんよ」とおどけてみせた。

 四国アイランドリーグのトライアウトはセガサミーのユニフォームを着て受験した。自信はなかったが、140キロ台前半の球速が出て、見事に合格。登録名を「秀伍」として、25歳の新人投手が誕生した。

「8年ですべて忘れていました。試合で投げる体力がなくて、最初はキツかったですね」

 投球フォームはサイドスローに近いスリークオーター。だが、本人は「上から投げているつもり」だという。ストレートの最速は150キロまで到達したが、本人がもっとも自信を持っているのは、打者の手元で鋭く変化するスライダーだ。

「いいときはスライダーで141キロまで出ました。自分にとっては一番の武器ですね」

 6月21日には四国アイランドリーグ選抜の一員として、プロ野球(NPB)の二軍混成チーム・フューチャーズとの交流戦に登板。1回を投げ、失策や野選も絡んで3点を失ったが、高島に落胆はなかった。

「今の自分の実力ではこんなものかなと。納得のいくボールもありましたし、真っすぐで三振も取れたので。レベルの違いはそこまで感じませんでした」

 チームの指揮官・西田真二監督は高島をこう評する。

「トライアウトを受けにきたときから強い球を投げていました。投手としてのブランクが長かったので、投げるスタミナとコントロールが課題でしたが、5月くらいから先発もこなせるようになって、だいぶ良くなってきました。もともと身体能力は高いし、伸びしろもある。年齢のこともあるけど、プロに行くチャンスはまだありますよ」

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