2017.05.15

大谷翔平の背中を追って…
花巻東の同級生が歩む
独立リーグのイバラ道

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 ここで大谷がプロの壁にぶち当たるようなことがあれば、高橋にとってプロ野球の世界は「見果てぬ夢」で終わっていたかもしれない。しかし、大谷は前人未踏の”二刀流”選手として、瞬く間にプロ野球を代表するプレーヤーにのし上がった。

 大谷がプロ野球界の頂点に一歩ずつ近づいていく姿を見て、自分もプロの世界に手が届くはずという思いが、高橋は年々強くなっていったという。

「あの大谷があそこまでいけるなら、自分でも……と思うようになりました」

 自分が大谷になれないことは百も承知している。しかし、高橋の目の前にいた天才は、世界のスーパースターを目指す選手になろうとしている。仮にも、その選手と一緒のグラウンドに立っていたのだ。だとすれば、自分にもプロ入りのチャンスはあるのではないか。その思いで大学4年間を過ごした。4年時には春、秋のシーズンで北東北大学リーグのベストナインに選ばれたことも、高橋の目標を確固たるものにした。

 一緒にプレーする同級生が次々と進路を決めていくなか、高橋は就職活動すらしようとしなかった。

「実際には、実業団のチームからお声がけをいただき、2社ほど内定はもらっていたのですが、結局、お断りしました。もう野球でメシを食っていこうと思っていましたから。同期には実業団の強豪に進路を決めたヤツもいましたし、普通に一般企業に就職したヤツもいました。でも、僕のなかで迷いはなかった。やっぱり、社会人野球に進むって、自分のなかでは『逃げている』って感じなんですよね。安定を求めているっていうか……