黒田引退、ジョンソン離脱でも投壊させないカープの「大卒」ローテ陣 (2ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 新人として十分実りあるシーズンと言ってもいいはずだが、岡田はオフに入ると投球フォームの改造に着手する。肩のラインの上下動を最小限にとどめ、踏み出した左足の着地後、コンマ数秒の"間"を追求した。それが、課題だった制球力の向上と、より打者が打ちにくいフォームを模索した末にたどり着いた答えだった。

「高めに抜けないように、(踏み込んだ)足が着いてからも間があれば、打者を差し込ませることができると思う」

 春季キャンプ、オープン戦と着実に成果を上げ、自信を深めていった。

 今季初登板となった開幕2戦目の阪神戦は、球審の厳しい判定もあり、4回まで7四球を与え6点を失う苦しいピッチングとなってしまったが、登板2試合目となった4月8日のヤクルト戦は8回まで無失点の完封ペース。9回一死から失点するも、今季初勝利を挙げた。続く15日の甲子園での阪神戦は、プロ入り初完投勝利で歓喜のハイタッチをかわした。

 その岡田よりも早く今季初白星を手にしたのが九里だった。持ち味の強気な投球に緻密さが加わり、ルーキーイヤーだった2014年以来となる開幕ローテーション入り。初登板となった4月2日の阪神戦では、大胆に内角を突くピッチングで相手打線を封じ込めた。

 九里は先発として結果を残すために、野村やジョンソンに直接助言を求め、日頃の取り組みなどの情報を収集。その中からいいと思ったものを積極的に実践している。

 左足をプレートの横に軽く引くだけのノーワインドアップはジョンソンの助言を実行したもの。また、登板前に対戦相手のデータをチェックし、打者の調子や傾向をノートに記すようになったのは、昨季までともにプレーした黒田の影響だった。

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