「150キロを投げた自分はもういない」。元西武・森慎二が語る大ケガ (5ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • photo by Kyodo News

──現在は古巣のライオンズに戻り、一軍ピッチングコーチをつとめています。どんな思いで選手たちを指導していますか。

「肩を傷めたこと、リハビリを含め、いろいろと経験したことが引き出しになっています。シーズン中、どこも痛いところがないというピッチャーはいないと思います。肩を傷めやすいピッチャーは、肩に負担をかけないフォームで投げるためにどうすればいいのか、なぜ肩を傷めるのかをじっくり話して聞かせています

 選手の意見を聞きながら、方向性を探っています。肩やひじを傷めることなく投げ続けることは、本人のためでもあり、チームのためでもあります。そこはアスリートとして、大事な部分です。年齢的にあとがない選手の背中は押します。それぞれの立場にあった指導を心がけています」

森慎二(もり しんじ)

1974年、山口県生まれ。岩国工高から新日鐵君津を経て、1996年ドラフト2位で西武ライオンズに入団。プロ1年目の1997年は6勝2敗9セーブ、1998年は8勝8敗5セーブという成績を残し、2年連続でリーグ連覇に貢献した。2000年は抑えとして23セーブをマーク。2002年、2003年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。2005年オフ、ポスティングシステムを使ってタンパベイ・デビルレイズに移籍したが、右肩脱臼のためメジャーリーグ登板は果たせなかった。その後、復帰を目指してリハビリを続けたが、断念。2009年にはBCリーグの石川ミリオンスターズのコーチ兼選手、2010年から2013年まで監督をつとめた。2015年からライオンズのコーチに。

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