愛媛からNPBへ。元巨人ドラ1・
河原純一監督が伝える「プロ意識」

  • 寺下友徳●取材・文・撮影 text & Photo by Terashita Tomonori

 リーグ戦において河原が考えているのは、今まで独立リーグではなかなか実現できなかった「完全分業制」。選手たちの力を十二分に引き出し、なおかつNPBスカウト陣に評価を受けるため、例えば投手陣であれば「先発・中継ぎ・抑え」で選手を分けた。

 NPB復帰を目指す投手たちにも、河原は「実際に戻れば先発はない」との判断を下した。1999年にドラフト1位で日本ハムに入団し、この3年間、愛媛マンダリンパイレーツの先発の軸となってきた35歳の正田樹も、「今年は中継ぎでいく」と河原監督に告げられているという。

「NPBで活躍できる、レギュラーを獲得する選手を出す。ドラフトでも1位や2位を目指していくことが、独立リーグの認知につながるんです。だから、僕は最初のミーティングで『高校・大学・社会人の中で10番以内に入れないと、ドラフト1位や2位はありえない。チームやリーグで負けないだけでは足りない。さらに上の評価を得るために何をするかを考えてほしい』と言いました」

 愛媛マンダリンパイレーツは開幕2連敗を喫したが、その結果に惑わされることなくチーム強化を進めていく。

 駒澤大時代から「大学であれば亜細亜大の入来裕作(現福岡ソフトバンクホークス三軍コーチ)、社会人であれば日本生命の杉浦正則さんなど、アマチュア投手の誰にも負けたくないと思っていた」と振り返るように、熱い想いを胸に秘めるタイプだった河原監督。「僕自身も成長しようと思っている」と意気込む44歳の新指揮官は、「プロフェッショナル」を愛媛の地に注入しようとしている。

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