マシソンを「本物のプロ」にしたグリフィーJrとイチローの流儀 (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 それはNPBでも同じで、これまで日本のプロ野球の歴史のなかでカナダ出身の投手は、マシソンを含め6人しかいない。そして実績は、マシソンが断トツで抜けている。

 来日6年目を迎えるマシソンは、昨年までに300試合に登板しているが、これはほかの5人の合計(58試合)よりもはるかに多く、勝利数も5人の合計5勝に対して、マシソンは21勝を挙げている。

 それにしてもなぜ、カナダ出身のマシソンは野球に興味を持ち、プロの選手にまで上り詰めたのだろうか。

「実は、バリバリのマリナーズファンだったんですよ」と、マシソンは突然切り出した。

「シアトルから1時間半程度で行けるブリティッシュ・コロンビア州にある町の出身なんです。昔は、ケン・グリフィー・Jrの大ファンでした。彼は帽子を逆に被ったり、いろいろな面で、野球をめちゃくちゃ楽しくしてくれました。彼のスイングを見るのも好きだったし、よく真似をしていました。家の庭にホウキがあり、よくそれを持って彼の構えを真似したのは、今でもはっきり覚えています。野球を夢中になったのは、彼のおかげなんです」

 マシソンが少年だった1990年代、グリフィーはマリナーズの看板選手だった。彼のおかげで野球を始めたマシソンは、ピッチャーをはじめ、ファースト、サードもこなした。

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