須田、タナケン、三上、康晃...
DeNAブルペン魂を木塚コーチが語る

  • 村瀬秀信●取材・文 text by Murase Hidenobu
  • 小池義弘●撮影 photo by Koike Yoshihiro

── 山﨑康晃が不調の際には抑えも任された三上の存在感も大きかったそうですね。

木塚 彼は与えられた場面で黙々と仕事をこなしてくれるだけでなく、ブルペンでの役割もすごく大きかった。リリーフはいきなりピンチの場面に放り込まれることもあります。大歓声の中、1球でヒーローになることもあれば、打たれることもある。その準備をしているブルペンはずっと緊張状態にあるわけです。後ろの方でえづいている投手もいるし、「行ってこい!」と送り出すのに握手をしたら、手が震えているのも珍しいことじゃない。僕だってそうだったしね。

 そんな中でいろんな部分で三上が支柱として、ドシンとブルペンの真ん中で構えていてくれる。緊張感もありつつ、時にはバカ話もしてくれるし、非常にいいバランスをとってくれています。

── 10年前に木塚さんと、川村丈夫、加藤武治、クルーンの4人で"クアトロK"というリリーバーが一時代を築きましたが、看板となる同等のリリーフ投手が複数いることの効果というのは?

木塚 う~ん、僕らの時代はやっぱり意地みたいなものがありましたよね。1人が打たれたら俺が絶対に抑えてやるっていうのもありますし、誰が何試合放って防御率やホールドがいくつだとか、そういう数字もやっぱりどこかしら気になる。慣れてくると電話のタイミングで誰が行くというのもわかってきますしね。でも、去年はチームが勝っていたこともあってか、やっぱりスイッチの入り方が違っていました。お互いに「こいつらも行くつもりでいるんだな」という空気にブルペンがなってくるんで。それが今年5人になり、6人になってくれないかなぁ。

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