藤浪の盟友「大阪桐蔭の人気者サワちゃん」がオリックスで猛アピール (6ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 西谷監督の澤田への賛辞は、さらに続いた。

「どんな状況でもぶれない。藤浪が投げるから腐るとか、そういうのがまったくなく、いつも全力で、たとえ投げなかったとしてもベンチから必死に声を出す。澤田を2番手投手と思ったことはないですし、ダブルエースという言葉を使う必要もなかった」

 大阪桐蔭では副キャプテン、立教大ではキャプテンを務めた。チームのことを最優先し、時に同級生にも厳しく接し、褒めるときは本気で褒める。そこに、あの愛くるしい風貌......。

「当時から人気者でした。教室でも寮でもグラウンドでも、澤田の周りにはいつも人がいる。サワちゃん、サワちゃんって呼ばれて......本当にファンが多くて、購買部のおっちゃんもそのひとりでした(笑)」

 右のリリーフは豊富なオリックスだが、「澤田でないと......」という居場所を見つけていきそうな気がする。そんな澤田に大学進学直前に話を聞いたとき、将来の目標をこんな風に語っていた。

「大学で力をつけて、絶対にプロにいきたい。そこで藤浪をリリーフしにいきたいんです」

 対決ではなくリリーフにいきたいと言ったところに、澤田らしさと藤浪と過ごした3年間の日々を感じたのだった。

 その藤浪と初めてプロの世界で対した強化試合。澤田は5回から2イニングを投げ、1安打、1四球、無失点で抑え、さらに評価を上げた。その後も開幕一軍をかけたサバイバルを続けている澤田だが、オープン戦はここまで(3月23日現在)4試合に登板し、防御率0.00とこれ以上ない結果を残している。

 はたして、藤浪がアメリカでの戦いを終えて日本に戻ってきたとき、澤田はどこのマウンドで投げているのだろうか。オリックスになくてはならない男を目指し、サワちゃんの挑戦は続く。

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