ヤクルト杉村コーチが語る「WBCで中軸を打つ愛弟子4人の共通点」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

「いま思えば、あれから10数年が経過しているんだけど、いまだにメジャーで頑張っている。一生懸命、コツコツ練習ができる逆境に強い子で、本当に成長したよね。青木の1年目の秋からコーチとしてついたんだけど、当時の監督だった若松(勉)さんが『稲葉(篤紀)が日本ハムへ移籍したので、青木を使いたい』と。当時はまだ力不足で、オレは『青木を使うんですか。大変ですよ』と言ったんだよね。ただ、足が速くて、逆方向へ強い打球を打てた。そこで『まずは逆方向へ強いライナーを打っていこう』と。ティーをやったりショートゲームをやったり。そうしたらプロ2年目にいきなり202安打だもんね(笑)。

(WBCの)日本ラウンドでは、数字はよくないかもしれないけど、チームに青木がいることは大きかったと思います。WBCの経験もあり、メジャーを知っている唯一の選手で、相手選手のことも、戦い方もわかっているわけだから」

 2008年、杉村氏は横浜ベイスターズ(現DeNA)の打撃コーチに就任。そのときに出会ったのが「当時は一軍当落線上の選手」の内川だった。

「最初にオレと波留(敏夫)コーチと内川の3人で面談したんですけど、彼の考えていた打撃スタイルと、オレたちの考えがまったく違っていてね。内川は泳いだ状態でもポイントは前にして打つのが自分の長所だと話したんだけど、『そこを修正してみてはどうか』と。内川の返事は『やります』と。これが彼のよさだよね。もう中堅クラスの選手だったし、断る選択肢もあったはず。自分を変える勇気、うまくなりたいという気持ちが勝ったんでしょうね」

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