もう弱投とは言わせない。ヤクルト投手陣が誓う12球団ワースト返上 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

原樹理(13試合/2勝8敗/防御率5.91/QS率53.8%)

 昨シーズン、ルーキーながら開幕ローテーション入りを果たし、自身6戦目にようやくプロ初勝利。そして次の登板でも白星を挙げ、波に乗ると思われたが、そこから6連敗。夏を迎えることなく一軍から姿を消してしまった。

「打たれることを怖がって、気持ちの面で逃げてしまいました。そこが反省であり、いちばん悔しかったところです。連敗しだしたときに『あれ!? やばいぞ、勝てないぞ。抑えないと、抑えないと......。これを投げたら打たれる』って。自分で選択肢をどんどん狭めてしまい、自分の弱さが出てしまった。芯から強くならないといけないですね」

 原は、昨シーズンの失敗をどう生かそうとしているのだろうか。

「どれだけバッターに立ち向かえるかですね。僕が苦しんでいるときに大引(啓次)さんがこう言ってくださったんです。『打たれてもいいから、気持ちだけは逃げずに向かっていこう。その姿勢があれば、打たれたとしても何とも思わへんよ。オレたちは一緒に戦っているんだから』と。逃げない気持ちって、あらためて大事なんだと思いました。

 技術面では、昨年は真っすぐがシュート回転したり、生命線であるシュートも感覚がおかしくなってしまいました。そこはコーチや先輩の方からのアドバイスがあって、すごくいい方向に進んでいます。シュート主体のピッチングに変わりはありませんが、真っすぐ、スライダー、そして習得中のチェンジアップも使って、シュート頼みにならないようにしたいですね。数字としては、昨年の勝敗をひっくり返したいところですが、まずはチーム内の競争に勝って、ローテーションに入りたいです」

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