まず初戦でキューバをコテンパンに。日本のWBC優勝に必須の条件 (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 ただプレミア12を含め、国際大会の場数を踏んできた今の日本代表なら、そのことは十分に理解しているだろう。キューバ投手陣には京セラドームでの壮行試合までを見る限り、怖さを感じさせるほどの投手はいない。力で押す本格派より、ボールを動かすグラウンドボールピッチャーが中心。ゴロを打たせようとしてくる投球の中から、いかに甘い球を探し出し、弾き返せるか。

 過去の日本は、試合中盤まで僅差で、後半にやっと打線が機能し、逆転、あるいは突き放して勝つというパターンが多い。だが今回は、なんとしても序盤に先制し、中盤以降は有利な展開で進める試合の流れを作ってほしいと思う。

 なぜなら、キューバとの戦い方が、その後の1次ラウンド、さらには2次ラウンド以後の展開にも影響を与えるからだ。

 今回の1次ラウンドが過去の大会と大きく違うのは、対戦国の「強弱」が従来とは逆の順序での日程になっているということだ。これまでなら中国など、まず負けない相手から始まり、2勝して2次ラウンド進出を確定させた後にグループ内で最も強い相手と対戦する流れだった。しかし今回は逆で、いきなりキューバから始まる。

 前述のように、今大会のキューバは怖さがない。とはいえ「弱い」わけではない。ミスに乗じ、足を絡ませて得点してくるしたたかさは変わらない。試合を有利に展開していても、終わってみたら負けていた。そんな結果も十分にあり得る。

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