鉄人・室伏の教えを胸にオリックス吉田正尚が究める「超人スイング」 (6ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 とにかく理想のバッティングを追求するため、細部にまでこだわりを見せる吉田だが、使っているバットもそのひとつ。昨シーズンは、900~910グラムのバットを使っていたが、このキャンプでは915グラムのものを使用していた。

「重いバットの方が飛びますから。今は自分に合うのかどうかを試しながら、試合で使えるか決めていきたい」

 こだわりは重さだけではない。木製バットの材質は、アオダモ、ホワイトアッシュ、メイプルと主に3種類あるが、材質も使い分けていきたいと話す。

「昨年の後半、ホームランが出ていたときはホワイトアッシュとアオダモ......。メイプルでホームランはなかったはずです。ただ、速い球は柔らかいバットだと負けるので、硬い材質の方が"弾きがいい"というのはあります。でも、それも感覚です。相手投手や自分の状態、そのときの感覚も含めて考えていきたいですね」

 こだわりの男は、過去の慣習や型にとらわれることなく、変化も恐れない。

「自分がいいと思えば試して、ダメならやめる。役に立つと思うものは何でも試します。それが向上心じゃないですか」

 23歳にしてヒシヒシと伝わる高いプロ意識。すっかりチームの中心選手となった今、どんな目標を掲げて2年目のシーズンに挑むのか。数字自体に興味はないと言う吉田だが、「タイトル争いはしたい」ときっぱり言い切った。

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