ホークス高橋純平、どよめくブルペン。田中正義、松本裕樹と投手王国を (3ページ目)

  • 古江美奈子●文 text by Furue Minako
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 大粒の汗を流しながら、充実感ある表情で練習する高橋に「楽しそうですね」と声をかけると、満面の笑みで「楽しいです!」と返ってきた。

 昨年のキャンプで左足を痛めていた高橋はリハビリ組に入り、ひたすらランニングをしていた。第3クールまではキャッチボールすら行なえず、その表情には悔しさと焦りがにじみ出ていたのを覚えている。だが今年は、実にイキイキとした表情で練習に打ち込む高橋の姿があった。

「新鮮な気持ちで入れています。こうして初日から野球ができるのが嬉しい。せっかく一軍でやらせていただいているので、そのレベルに近づけるように過ごしたいです」

 ノックが始まるときには率先してトンボをかけ、先頭で大きな声を出す。A組最年少として気配りしながらも、心の底から野球を楽しんでいるのが見てとれた。

 そんな高橋に悲劇が襲ったのはキャンプ2日目。ノックの最中、イレギュラーバウンドした打球が左目上部を直撃。アイシングするもまぶたは腫れ上がり、アイメイクをしたような目になってしまった。それでも翌日には、「大丈夫です。昨日よりは見えています」と、青々としたアザのまぶたでブルペンに入った。

 昨年は二軍、今年から一軍で見守る高村祐投手コーチは高橋について、「いい形で入ってきている。体はまだこれから伸びていくんでしょうけど、今の段階で心配はしていない。どう成長していくかは本人次第」と期待を込めた。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る