ホークス高橋純平、どよめくブルペン。田中正義、松本裕樹と投手王国を (2ページ目)

  • 古江美奈子●文 text by Furue Minako
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

 県岐阜商から入団して2年目の高橋と、創価大から入団したルーキーの田中。年齢は田中が3歳上だが、プロでの経験は高橋の方が先輩である。初めてのキャンプで要領がつかめない田中を気遣って、練習メニューごとに場所を移動する際の行動をともにしている。高橋自身、A組でのキャンプは初めてながら「次、行きますよ」と声をかける姿は、実にたくましかった。高橋は言う。

「年齢の近いライバルがいた方がいい。意識はするけど、それが自分にとっていい影響を与えると思う」

 今年の春季キャンプは、多くの若手選手がA組に抜擢された。実戦が始まったときにどのような入れ替えがあるかはわからないが、若手にチャンスを与えることでチーム内の競争が激化しているのは事実だ。そのなかで同世代のライバルがいることは、いい刺激になるに違いない。

 A組のなかでも投手は4グループに分かれてメニューをこなすのだが、最も若手のグループに属する田中、松本、高橋の3人は、何かにつけて一緒の時間を過ごしている。

 得手不得手がはっきりする懸垂では、まず田中が顔色ひとつ変えずに「できたよ」と1セット目の10回を軽々クリア。松本は途中で顔を歪めながらもなんとかクリア。そして最後の高橋は「補助お願いします」と元気よく申告し、つま先を支えてもらいながらクリアした。2セット目に入り、苦しそうな田中に「補助いりますか?」と笑いながらいたずらっぽく問いかける高橋。ライバルとはいえ、練習中は笑顔も見られ、終始リラックスムードが漂っている。

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