栗山監督が4年間、考えてきた「大谷翔平、メジャー挑戦への条件」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

── なるほど......監督がイメージしている彼の進化というのは、メジャーリーグを意識しているんですか。 

「メジャーリーグは意識していない。世界一の選手をイメージしている......全盛期に見たマーク・マグワイアよりもすごいバッターにしてやるとか、バリー・ボンズよりも翔平の方が打つよね、とか。投げる方だったら、やたらと速いノーラン・ライアンなのか、しなやかで速いペドロ・マルチネスなのか。そういうピッチャーよりもいいピッチャーを作るんだって思ってる。だから、メジャーリーグでどうのこうの、じゃないんだよね」

── では、メジャーで二刀流というところは、どう見ていますか。

「我々はそこを目指してきた。二刀流をアメリカに......いや、世界に認めさせる。新しい考え方も含めて、先入観とか既成概念とか前例がないとか、そういうものをぶち壊したかった。だから、もしアメリカに認めてもらえるなら、すごく嬉しいことだと思うし、認めてもらえるはずだと思ってやってきたところもあるからね」

── さっそく、メジャーでは中4日のローテーションだから無理とか、ピッチャーをやりながらメジャーのDHを務めるなんてあり得ないとか、先入観に縛られた声が聞こえてきます。

「だから、我々が『翔平を使うならこの形ですよ』ということのいくつかを示しているわけで、それをメジャーが認めるか認めないかという話。認めさせることができれば、翔平は世界一の選手になる。『翔平の二刀流は、ウチのチームが日本一になるために必要なんです』って始めたことを、アイツは自力で証明してみせた。今度はそれを彼の目指すところで生かすためにも、我々は発信できるところは発信していかなきゃいけないと思ってる」

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る