栗山監督が秘める構想。「大谷翔平が143試合、打者で出たらどうか」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

── そうやって、大谷選手に次から次へと宿題を出し続けるんですね。

「もちろんピッチャーの王道を歩むために、黙々とランニングします、黙々とシャドーピッチングします、足の使い方だけを黙々と何十時間もやってます、というのも必要だし、大事だよ。平凡を非凡に変えるためには、平凡なことをやり続けなければダメ。そうすると、必ず非凡に変わる瞬間が来るからね。

 でも、翔平の性格とか能力を見ていると、違う課題がいっぱいあった方がいいと僕は思ってる。寮で余計なことをする時間があったら、この練習をしなきゃ、あの練習をしないとマズいという形のほうが、アイツらしさが出る。だからいろんな宿題を考えてるんだけど......2つでオッケーなんて思っていたら、どこかでとどまっちゃうから。できないことが多いという状況があれば、宿題をやらなきゃと思うでしょ。そこが彼の能力を引き出す大きなポイントだと思ってる」

── 去年について言えば、投打それぞれを、どんなふうにご覧になっていましたか。

「バッターの方は、まあまあ"普通の翔平"になってきたかな。彼の能力が出始めたなっていう感じ。でも、ピッチャーの方は"相変わらずの翔平"(苦笑)。そろそろ、もう少し安定してもいいんじゃない? 相変わらず、投げるときにバタつくからね」

── 安定するためには何が必要なんでしょう。

「まずは、本当の意味での技術。次に体。技術を身につけるための体の安定感がまだ足りないかな」

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