栗山監督が秘める構想。「大谷翔平が143試合、打者で出たらどうか」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Kyodo News

── 守らせるという可能性は?

「今年は守らせない。僕は、翔平が守るときはきっと来ると信じてるから、その準備はさせておくけどね」

── 守備の練習をさせるんですか。

「練習はしなくても大丈夫。練習よりも、意識づけかな。そもそも翔平が入団した直後、ショートをやらせたんだけど、誰も覚えてないんだよね(笑)。あのときにショートをやらせたことは、いつか活きるとぼくは思ってる。実際、どこかのインタビューで、翔平、『守るならショートがいい』って言ってたでしょ。人間、そうやって一度、味わったことは頭の中にこびりついているものなんだよ。だから、今、ここで守らせようというわけじゃなくて、僕の中にある"いつか翔平はこんな選手になる"っていうイメージに近づけるために、翔平の頭の中に準備をさせなきゃいけないので......」

── いつかこんな選手になる、というのは具体的にはどんな選手なんですか。

「だから、いつもはDHなんだけど、どうしてもほかの選手を使わなきゃいけないときは、平気で守れちゃう。143試合、バッターとして全部出て、三冠王を獲りながらピッチャーとして20試合に先発して15勝する、みたいな......」

── バッターとして143試合というのは、最近の発想ですか。

「そうだね......最近、楽しみになってきてね(笑)。翔平が143試合に出たら、バッターとしてどのくらいの数字が残るんだろうって」

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