あの元巨人・鈴木尚広氏が「左ピッチャーは盗塁しやすい」と断言 (2ページ目)

  • photo by Akutsu Tomohiro

 第1クオーターのテーマは、「誤解だらけの盗塁」。

 一般的に、左ピッチャーの場合、1塁走者と向き合っているため"盗塁はしにくい"とイメージされている。しかし鈴木氏は、自分が「ピッチャーを見ている」という感覚を持つことで主導権を握ることができるため、左ピッチャーのほうが右ピッチャーよりも"盗塁しやすい"と断言する。

 また、しつこく牽制されると"スタートが切りにくくなる"というイメージも、たくさん牽制球を投げてもらえることで、ピッチャーの傾向やスタートの感覚がつかめるため、むしろ"スタートが切りやすくなる"と言う。さらに、鈴木氏は自分がピッチャーの"クセを盗む"ことがほとんどなかったと証言するなど、これまでの盗塁の概念を覆す意外な事実を次々と披露した。

 クセを盗まなくても、通算275回盗塁を試み228回成功、成功率82.91%という歴代1位の驚異的な数字を残すことができた理由は、ピッチャーの傾向を事前に徹底的に調べ上げ、ベンチにいる間ずっと観察し準備をすること。つまり、クセ=それぞれのピッチャー固有の動作を気にするのではなく、そのピッチャーのその場面での行動パターンをデータ化して事前に把握しておく。これこそが、"神の足"と称された鈴木尚広の生命線だった。

 続く第2クオーターのテーマは、「誰も教えてくれなかった盗塁のコツ」。

 ここでは、ピッチャーが牽制球を投げた時に、確実に戻れるリードの幅を知っておけば、必要以上に牽制を意識することがなくなり、しっかりと集中ができるようになること。さらに、スタートの瞬間、一瞬力を抜くことで、より大きな加速を生み出すという理論を説明した。

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