プレーの場を求めて自費でコロンビアに。さすらいの「野球バカ」物語 (4ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi

 冬の間の短いシーズンとはいえ、どこかで必ず入れ替えがある。そう信じて、単身乗り込んだコロンビアのウインターリーグだったが、米国マイナー球団から送り込まれたプロスペクト(有望選手)で固められた外国人枠の壁は厚く、結局レギュラーシーズン終了までコールアップの声はかからなかった。

 いま小野は、バーのカウンターに立っている。第二の故郷ともいえる松山の店は繁盛し、噂を聞きつけたかつての同僚たちが顔を出す。楽天でプレーする元独立リーガーの入野貴大は自身の結婚式の2次会をこの店で催してくれた。

 年が明け、小野はすでに体を動かしている。今年どこでプレーするのかは、まだ決まっていない。しかし、彼にはまだ野球をやめる理由が見つからない。小野真悟は二足のわらじを履きながら「野球」を探し、歩き続けている。

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