人的補償の男たち。金田和之と平良拳太郎に「大化け」はあるのか (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 現時点では中継ぎを厚くしたいチーム事情もあり、起用されるのであればリリーフでの登板が有力だ。藪氏が続ける。

「勝ち試合、負け試合関係なく、まずはリリーフで投げることになるでしょうが、好投が続けば、クローザーの平野佳寿へつなぐセットアッパーとして起用されるかもしれない。伸び盛りで大化けする可能性があるのでオリックスからすれば、いい選手を獲得したと思います」

 大化けの可能性という点では、DeNAが獲得した平良も楽しみな存在だ。ここまでプロ3年間で一軍での登板は1試合(2016年)しかないが、ファームでは先発ローテーションの一角を担う。昨年は12試合に登板し、6勝2敗(完投2)、防御率2.31という好成績を残した。同じ高卒の同期には昨年ブレイクした田口麗斗がおり、ルーキーのときは「左の田口、右の平良」と期待された逸材である。

 平良を入団したときから見続けてきた巨人の球団関係者は、若干の無念を漂わせ次のように語った。

「これから戦力になってくれるだろう投手だっただけに残念です。彼への期待度は、昨年11月のウインターリーグ(プエルトリコ)に参加させていたことからもわかります。ただ、今の彼の実力とチームの選手層を比較したとき、一軍で投げるチャンスが絶対にあるとは言えません。そう考えれば、移籍した方がチャンスはあるかもしれない。右横手からストレートとスライダーで勝負するタイプ。特にスライダーは一軍で十分通用するボールだと思います。あとはストレートのキレ、コントロールがつけば、 一軍で十分にローテーションを張れる投手になれるでしょう。正直、平良がプロテクトから外れ、DeNAが指名したとき、『やっぱり』という思いはありました。近い将来、間違いなく戦力になる選手でしたからね......。新天地での活躍を期待しています」

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