批判を覚悟でオ・スンファンをWBCに選んだ韓国代表監督のイバラ道 (4ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

「罪を償っていない者が国を代表していいのか?」「それが禊(みそぎ)になっていいのか?」等々。そうした声に対して、金寅植はひるむことなく正面から対峙した。

「批判があるのは承知している。私も苦しんだ。しかし、呉昇桓にとっても、国を代表して戦い、好結果をもたらすことがなによりだと思うという決断にいたった。本人も『選ばれるなら最善を尽くす』と言ってくれた」

 今回、「代表監督だけでも重圧がある」と言った金寅植の背に、呉昇桓というもうひとつの荷が加わった。優勝に届く成績を挙げればまだしも、そうでなければ非難は倍となって一身に浴びることになりかねない。

 それでも呉昇桓を呼んだのは、他ならぬ「勝つため」に必須の選択をしたからだ。

 それが金寅植という代表監督の強さであり、すごさでもある。

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