育つまでガマンできなかった巨人。「30億円大補強」は吉と出るのか (3ページ目)

  • 深海正●文 text by Fukami Tadashi
  • photo by Kyodo News

 さらに、いちばん大きな穴を埋めたのが、日本ハムからFA宣言した陽岱鋼の加入だった。「打撃の核でもあり、センターラインの強化」と堤GM。昨季の巨人はセンターを固定できず、最も多く出場したのが橋本到の66試合だった。攻撃では得点力不足が目立ち、盗塁などのスピード面も不足していた。5年で総額15億円(推定)という大型契約を結んだ陽は、「走攻守、ひとつひとつでチームに貢献したい」と誓った。

 これだけでも十分な補強だと思えるのだが、新たに外国人も2人加わった。2013年の楽天の日本一に貢献したケーシー・マギーと、昨年パイレーツとマリナーズで主に中継ぎとして57試合に登板したアルキメデス・カミネロだ。

 なかでもマギーは一塁か三塁を守ることを期待されている。そのポジションにはベテランの阿部慎之助と村田修一がいるが、ふたりとも故障のリスクがあり、年間を通して試合に出続けられるかわからない。マギーももちろんレギュラー候補だが、バックアップ要員としての価値が高い。

 一方のカミネロも、昨シーズン終盤、守護神である澤村拓一がもろさを見せただけに、スコット・マシソンとともに試合を締める役割も担う可能性がある。

 結果的に、補強費の総額は約30億円にも膨れあがった。細部にまで戦力を整え、堤GMは「監督にどう起用するのがベストか、可能性を探る材料を与えることが我々(フロント)の仕事」と言う。

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