元メジャースカウトが危惧する大谷翔平「30歳のピッチング」 (5ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

「165キロのストレート、150キロのフォークって......これはもう、とんでもない才能なんですよ。でも日本での彼のやったことで、驚かされたことは1つもありません。彼のポテンシャルからすれば、どれも普通かなって感じです。それでも日本では突出してしまうということを考えると、やっぱり18歳の大谷くんにはアメリカを選んでほしかったなと思ってしまいます(笑)。技術や体づくりのほかにも、アメリカへ行く利点は、競争社会に放り込むっていうことだったんです。そうすると、厳しい環境が自分では想像もつかない能力を引き出してくれることがあるんですよ。才能というのは、リスクを背負って、チャレンジしながら失敗をしてこそ、磨かれます。自分と同等か、それより上の選手との競争に勝ち抜いていかないと、スーパースターにはなれない。日本だったら、そこそこの努力で数字とお金がついてきてしまう。だから、僕は彼ができるだけ早くアメリカへ行ったほうがいいと、今でも思っています」

 メジャー断念、日本のプロに入るという決断から4年――大谷は、小島が想定しなかったプロでの二刀流に挑んで、世の中を仰天させるだけの結果を出した。メジャーでの二刀流なんて無理に決まっているという空気さえ、最近は変わりつつある。ではバッターとしての大谷を小島はどう見ているのだろう。そして、メジャーでの二刀流が実現する可能性はあるのだろうか。

(つづく)

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