掛布二軍監督が語る、2017年のタイガース
「鳴尾浜からの超変革」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

── 新生阪神の象徴として期待を集め開幕スタメンの横田選手も、昨シーズンは5月にファーム落ち。6月に一軍復帰しましたが、すぐに再降格しました。

「金本監督も横田が頭打ちになることは、ある程度予想していたと思います。まだそれほどバッティング技術が高いわけではなく、シーズン序盤は足のスピードで結果を残すことができたんです。でも、各球団が守備隊形を変えて足が止まってしまった」

── なるほど。

「今年は、打球が内野手の頭を越えるバッターになればいいんです。台湾のウインターリーグで3割7分近くの高打率を残し、僕が見たときもいいホームランを打ちました。彼自身、今年はバットで勝負するという気持ちに変わってきているはずで、そのなかで足がより大きな脅威になる。そういう選手に成長してきたなという手応えを感じています。まだ彼は高卒4年目の選手。もし彼が大学4年ならドラフト1位で指名される選手でしょう。昨年は一軍で安定した成績を残すのは難しかったですが、今年は楽しみですよ」

── ほかにチームに影響を与えそうな若手はいますか。

「いっぱいいますよ。植田海も非常に面白い存在の選手になってきたひとりです」

── 近江高校からドラフト5位で入団し、今年が3年目の内野手ですね。

「スイッチヒッターに挑戦して、初めは慣れない左打席でボールを見るのも怖く、苦労しました。それを担当コーチがバントから練習させて、徐々に打つポイントがわかるようになり、ボールの見極めもよくなりました。元々、足のスピードはチーム1、2位を争う選手。守りでも、送球の際に体が横にぶれないからどんな体勢からでも投げられる。体は小さいですが、プロの世界で勝負できる武器をいくつも持っている。野球に興味を持ち始めてきましたし、3年目の今季は本当に楽しみです」

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