戦力外→打撃投手の久本祐一が語る「落合GMから直電」の深い意味 (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu


── それはビックリしたでしょう。

久本 ここはどこ? 私は誰? みたいな状態になりました(笑)。まず落合さんから「お久しぶり」みたいな挨拶があって、番組でも話したように「眠れてるか?」「どうしてこんな時間に電話したかわかるか?」と言われて、僕も月火に電話がなかったらダメだってことはわかっていましたから、「はい、わかります」と答えました。すると、落合さんは「だよな」と......。

── 深い意味合いを含んだ言葉のキャッチボールです。

久本 落合さんはギリギリになるまで、電話するのを待っていてくれたんですよ。トライアウト合格の知らせを待ち続ける僕の気持ちをわかってくれていて......。それが「だよな」という言葉にすべて集約されている。そういう人なんです。そこまで僕のことを考えてくれていなかったら、ああいう言葉はなかったと思います。

── 久本さんの現役続行への思い、そしてオファーを待つ心情を理解し、尊重してくれたうえで、あらためて打撃投手のオファーをくれたわけですね。

久本 「トライアウトも見たし、スポーツ紙のコメントも読んだ」「どこからもオファーがなかったら帰ってこいよ」と。「オレも普段はこんな電話はしないけど、おまえだからだぞ」とも言っていただき、うれしい気持ちになりました。そこまで言われたら「(中日に)帰らせてください」と答えるしかないじゃないですか。

今オフの出来事、落合GMへの思いを語る photo by Terasaki Egetsu今オフの出来事、落合GMへの思いを語る photo by Terasaki Egetsu

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