ブレイク必至。ソフトバンクの「ミギータ」こと真砂勇介とは何者か (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Kyodo News

 ただ、秘められたパワーに、以前から着目していた人物はいた。かつて新人時代の柳田悠岐を二軍で指導し、来季から一軍打撃コーチとなる藤本博史コーチ(今季は二軍打撃コーチ)だ。

 今年2月の春季キャンプでの出来事だ。真砂が一塁ベンチ前でロングティーを行なうとき、同じタイミングで柳田が三塁側でバットを振っていた。柳田がオフに右ヒジを手術したことでB組スタートだったためだ。

 柳田はリハビリ期間とは思えないような強烈な打球を飛ばしていたのだが、真砂もまったく引けを取らない飛距離を見せていた。それを見た藤本コーチが言った。

「オマエすごいぞ。右のギータやな。ミギータや!」

 先日、それがスポーツ紙の見出しを飾ったことで、「ミギータ」の名が一気に浸透。期待値も急上昇なわけである。

「僕は長距離砲タイプじゃありません。確かにホームランに対する欲は出てきたけど、強い打球を打つためにバットを強く振って、ボールの下を叩いたときにはスタンドインというのが理想。ヒットの延長です」

 バットを振り回すだけでは、今すぐ一軍で通用しないことはわかっている。求めるのは確実性であり、ベンチからの要求に応えられる技術でもある。

「メキシコでの大会ではホームランで注目してもらえました。決勝(オーストラリア戦)とスーパーラウンドの韓国戦の一発は本当に嬉しかったです。でも、僕の中ではメキシコ戦でバントをきっちり決められたことの方が、価値があったと思っています」

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