日本復帰の3A村田透が明かした「日本ハムに入団を決めたわけ」 (3ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by ZUMA Press/AFLO

 6シーズンにわたってプレーし、自分の適性を十分に理解しているはずのインディアンスが、トップチームはおろか、3Aでも先発要員とみなしていない。その現状と31歳という年齢を考えると、先発の一角として戦力とみなしてくれる日本球団との契約は現実的な路線であるといえた。

 日本ハムの栗山英樹監督は、村田を先発陣のひとりとして考えているという。おそらくこのチーム方針が、村田の心を決めさせたのだろう。移籍発表から数日後、私の手元に来たメールにはこうあった。

「ファイターズに決めたのは、選手がプレーしやすい環境だと思ったからです。それに北海道のファンの熱い応援も魅力ですね。抱負としてはとにかくチームの勝利に貢献したいです」

 一部で、来年3月に開催されるWBCの侍ジャパンの"隠し玉"として村田の代表入りもささやかれているが、自分の出る幕ではないとばかりに、「どこの国も今度はメジャーリーガーが出てくるらしいので、どんなプレーを見せてくれるのか楽しみです」と他人事を決め込んでいる。しかし、先の強化試合で"WBC使用球"に戸惑う侍ジャパンの投手陣を見れば、村田は強力な戦力になるだろう。

 当の村田本人の目は、これまで成し遂げていない"一軍初勝利"に向けられている。じつは、村田は自身4シーズン目となるベネズエラで「初勝利」を挙げている。メジャーリーガーが居並ぶウインターリーグでの勝利は、自信になったに違いない。来季、7年ぶりとなる日本のマウンドでどんなピッチングを見せてくれるのか、今から楽しみでならない。

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