米国スカウトが見た、大谷、筒香、山田、千賀、イチローのWBC戦力度 (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘、田口有史●写真 photo by Koike Yoshihiro、Taguchi Yukihito

 そして大谷のもうひとつの注目点は、彼のクレバーさです。あくまでも憶測ですが、今回の強化試合の打撃フォームは、シーズンと少し違っているように感じました。具体的にいえば、シーズン中よりグリップの位置が体に近くなり、振り下ろすときもややコンパクトになっていたような気がします。大谷はこの強化試合で、外国の投手のフォームに対応するよう"修正"を試みていたのではないでしょうか。

 初戦のメキシコ戦で8回に代打で出てチェンジアップで体勢を崩され、空振り三振に打ち取られました。そのときのフォームと、翌日に指名打者で出場して以降の打席では違うように感じました。おそらく、よりコンパクトに、それでいてしっかり叩くというふうに修正したのではないか。

 修正して結果を出せることも素晴らしいですが、そうした繊細さ、クレバーさは、あまり知られていませんが、大谷の魅力だと思いますね。

 もしWBCにマエケン(前田健太)、田中将大のいずれかでも参加可能になるなら、私は「打者・大谷」に専念させた方がいいと思います。あれだけの打者は、日本の中軸はもちろん、アメリカを探してもそういるわけではありません。いずれにしても、打者専門でも十分に活躍可能だと思います。

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